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 前回は「小規模水力発電」の実証実験の悪戦苦闘ぶりを書いたが、今回も、もう少し書いてみたい。
 今日、「発電」についての説明のために、市内のある地域に向かったわけだが、ご挨拶と総論程度の説明をちょこっとしたのみで、後は気付かぬうちに懇親会へと流れて行ってしまった。それが悪いということではなく、実にスムーズで自然な流れだったことに「水の力」を感じずにはいられなかった・・・。決して洒落ではなく集落の皆さんの思いと、僕らの「水の力」で地域が元気になってもらおうとする活動とが「合流」したような、実に意義深い懇親会だった。
 「自分たちと直接関係のない皆さんから、集落のコミュニティを心配してもらい、今後の持続可能な集落モデル構想まで語ってもらって・・・ありがどさまです」などと、この上ないお言葉をいただきながら和気あいあい且つ、真剣に話し込んだ。
 「小規模水力発電」が、この集落にとって一体どれだけのメリットをもたらすのか、自己負担の額は、これからどういうプロセスで進めていくのか、補助制度は利用できるか、などなど矢継ぎ早の問いに、ありったけの知識で、誠意をもって答えさせてもらったつもりだが、いきなり今日初めてお会いして、信用してください、みんなで実現に向けて頑張りましょう、ではあまりに流れが速すぎる。もっともっと不信感を抱いてもらい、少しずつじっくりと僕らの意図を理解していただくほうが・・・現実的で僕は、好きだ。 でも今回は、最初から僕らの提案をすんなりと理解してもらったように感じたのは気のせいなのだろうか。

 そういえば僕も、はじめてこの話を友人から聞かされ、全く疑うことなく感動し「これで、地域を再生できる」と、その日興奮して夜も眠れなくなったのが、ちょうど去年の今頃だった。なぜまったく疑わなかったのかというと話の周辺を見回しても、疑うような「素材」がほとんど見当たらないほど「小規模水力発電」というのはシンプルなのだ。水の力を使って発電し、その電力で農業を活性化する。ただそれだけ。ある程度の水量と、落差があればそこに発電機を設置し、電力を発生させ、使用後の?水はそのまま川や水路に流す(戻す)、だけなのだ。このプロセスだけで、誰がどれだけの被害を受けるのか、逆に恩恵をこうむる人はどれだけいるのか。

 水力発電の歴史は古く、日本では明治時代にはもう発電していたらしい。水車の「動力」を利用するだけのレベルであれば、さらに歴史の川を「紀元前」まで遡らなければならない。
 要するに、はるか昔から人間は水の流れを生活に「力」として利用していたのだ。だから僕らが取り立てて「小規模水力発電」を地域活性化運動の新しい柱のように扱うこと自体、よく考えれば「変」なのである。
 では、こんなに環境にも、人にも、地域にもいいことずくめの「事業」が、なぜ普及しないのか。全国の到る所に存在していてもいいはずではないか。全くその通りで、戦後、国と電力会社による巨大発電施設建設ラッシュに伴い発電、送電技術が向上し、送電網が急速に拡がった。このような国の電力政策によって全国のどこの町や村にもあった小さな発電所はほとんど廃止されていった。

 これから全国で新たに中小規模の「水力発電所」を建設していくとしたら、発電可能電力は600万kWとも1000万kWをはるかに超えるとも言われている。あの原発1基で100万kWということだから、10基前後は水力発電で賄える計算だ。
 それならば、安全で安心だし再生可能エネルギーでもあるし水力で…。ということに普通ならばなるが、そうはならないのが…わが日本国なのである。環境政策やエネルギー政策ではドイツなどとは全く逆のような方向に進んでしまっているのである。

 話しが逸れてしまったが、国のベクトルは、建設費や放射性廃棄物の保管費用などに莫大な「お金」がかかる「ハイコスト・ハイリスク発電システム」に向いている。だから「小規模水力発電」は他の発電施設と比較して、土木建設費用が小さすぎて大企業にとっては旨味がないのだ。これも「小規模水力発電」が普及しない要因の一つではないだろうか。
 その他にも多くの要因が普及を妨げている現実がある。例えば河川法や電気事業法などもクリアするには高いハードルになっていると聞く。発電と送電両方の業務を一つの電力会社がやっているのも(世界で日本だけ)、余剰電力を買電する際の安すぎる価格も普及を妨げている。このようにエネルギー政策では世界の流れに「逆流」 しているのが「我が国」なのである。

 しかし、そんな流れの中で僕らは、地域を再生させるために「古いけど、新しい」流れを創り出さなければならないと考えている。心強いことに似たような流れは全国的に起きている。11/15付のここのブログ記事でも紹介した山梨のNPОもその一つだし、岩手の葛巻町だって新エネルギーという点では同じような流れだろう。
 この小さな流れが「本流」だったんだな、と日本中で理解してもらえる日が来るまで、いつまでかかるかわかんないけど・・・頑張ってみたいなぁ、僕ら。
 今日、僕らの話に真剣に耳を傾けてくださった、責任感の強い心優しき皆さん、本当にありがとうございました。

まだ、寄らせでけらっせ。
 
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