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 先日、K君を空港まで迎えに行った。半年ぶりに見る「そいつ」の姿は、スキッとして、締まっていた…。
 それにとどまらず、表情さえも「スキッ」としていて、端正な顔立ちに「近い」感じになっていた。山形にいた頃は「ごっちゃんです!」の口癖どおり、お相撲さんみたいだったのに…。

「ふん、何だよ、ちょっと痩せたかと思って自信に溢れた顔つきしやがって…このォ」

「ごっちゃんです!」

あ、口癖は変わんないんだ、と少し安心して「そいつ」をクルマに詰め込み、新庄へ向かう。

「どしたの、その生意気な体型は」

「ん?ダイエットしたの」

「ダイエットって、どうやったの」

「ん?歩いて」

「歩くだけじゃ…そんな…痩せないでしょ…あとは」

「ん?そんだけ。…あと…」

「あと何」

「ん?あと食事」

「食わねーの?」

「ん?食べる」

「どうやって」

「ん?少なめ」

「それだけ?」

「それだけ。」

「で、何キロよ…痩せたの」

「ん?20キロ。」

「・・・・…、やるじゃねーの」

 アタマに「ん?」つけないとしゃべれないのかよっオマエは、って思いつつ助手席のそいつをチラッと見ると、確かに以前あった2重のあごが1つになっていて、しかも、勝ち誇ったような笑みさえ浮かべている。気のせいかもしれないが、いや、気のせいじゃない…絶対「どうよ僕」というカンジだった。

何が「ごっちゃんです」だ。もう全然「ごっちゃんです」じゃないじゃないか。百歩譲って「ごっちゃんです」使ってもいいけど、体型はもう「ソップ」だろ。…僕だけになっちゃったよ「アンコ型」、どうしよう…。

すると、僕の中にいる悪魔が顔を出した。

「ふふふ…食わすぞー、きょう一晩で10キロ増量させてやる。バンバン食えよー、この、ごっちゃんです男!」

 その夜、僕らは飲食店に行き、たらふく食べ、飲んだ。K君は目論見どおり僕のおよそ「3~4倍」は食べた。僕は、お財布事情もあってセーブした。その後カラオケに行き、また飲んだ。僕はそこでも、セーブした。

 「計画どおり」にことは運び、11時過ぎに「再会」を約束し、僕らは別れた。

 口には出さなかったが、僕がその時約束したのは、ただの「再会」ではなかったのだ。実はその約束には、「元の体型に戻って…」という、「呪い」めいた思いをしっかり練り込んでいたのだ、はは。
 今回でまた、K君の食に対する貪欲さにバッチリ「火」が着いたはず、だから間違いなく次に会う時には、「ごっちゃんです」がピッタリの体型に戻っているはずなのだ…ひひひ。

 そんなことを考え、ほくそ笑みながら眠りに就いた翌日の朝、僕はいつものように体重計にのった。そして表示された数値を見て、ザッと血の気が引いた。

「げっ!3キロ増えてる!」


 まさに「人を呪わば穴二つ」。

 やっぱり今度会う時は、二人揃って「ソップ型」で、「ごっちゃんです!」をしたいものである。
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