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 昨日、総務常任委員会があった。
 その委員会へ付託された案件の中に「議案第2号 新庄市一般職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について」があった。
 昨年の3月議会でも同じように議案として上程され審議されたが、その際は本会議において否決された。
 あれから、1年が経過したが、地域の経済状況は一向に上向く気配すらない。それどころか企業の撤退やリストラなどで市内には職さえ見つからず、将来設計を白紙に戻さなければならない市民が益々増えている。
 このような状況の中で、提出された議案の内容は、「時間外勤務手当支給割合の引き上げ」と「給料表の一部改正」についてだった。前者は、国の労働基準法の改正に伴うもので(条例改正は)いたし方ないと思ったが、後者の改正については、どうしても納得できなかった。

 それは、平成19年山形県人事委員会勧告に基づき改正するもので、その勧告内容は「民間においては初任給に顕著な伸びが見られることから、有為な人材の確保の観点から、初任給を中心に若年層の給料表の改定を行うこと。(平成19年勧告時)」というもだ。それを新庄市は県内13市の中で、唯一実施していなかった。その理由は、(新庄市は)財政再建中だから、その勧告には従えない、という「立派」な姿勢を示すものだった。そして現在まで、その13市の中で一番低い給料表のままでやってきたわけだ。
 今回対象となるのは若年層の26名、年齢は概ね32歳までの職員(全職員の約8%)という。財政への影響額は年間71万円程度で、来年度(今年の)4月1日から実施したいとの説明だった。
 総務課長は「根拠のない(給料表の)ままの状態で今まで来てしまった。この辺でなんとか13市と同じ給料表に戻したい。」と一年前と同様の説明を繰り返した。

 僕も、若年層の給料は戻しても構わない、とほんの少しだけは思っている。しかし、その財源が新たに必要になると言うなら、話は別になってくる。たとえば議員報酬を削り、その部分にあてがうと言うなら話はわかる(予算編成し直して議会費から総務費に入れれば可能なはず)。
 しかし、昨年の同時期と比較しても地域に明るい材料がほとんどない状況で、給料を71万円の増額だけだからと説明されても同意できるわけがない。少し前にも委員会でいつもと同じ説明を受けた。
 しかし、冷え切った景気の中で、ひたすら耐えながら暮らしている市民、それと共に昔から商いを続けてきた商店街の皆さんのこと、従業員を失職させたくないと懸命に会社再建に向け金融機関などを駆け回る経営者のこと、そして就職したくても採用先が見つからず、無気力になっていく若者たちのことなどなどを考えれば、200円から2000円ほどの上げ幅だと言われても「それほどの金額なら、いくらでも我慢できるだろ!」と言いたくなる(実際何度か言ったけど)。
 「そんなに戻したいのならば、僕ら議員が市民にちゃんと説明できるように、わかりやすく説明して」と言っても、「人事委員会の勧告どおりに戻したい」との一点張りだった。
 また、市民協働という看板を掲げ市民に公共の一部をお願いするつもりならば、今回の議案は、市民との溝をより深めることになり、「協働」にブレーキがかかるのではないか。と訊くが、はっきりした答えはなかった。


 地方公務員法の第14条1項に【地方公共団体は、この法律に基づいて定められた給与、勤務時間その他の勤務条件が、社会一般の情勢に適応するように随時適当な措置を講じなければならない】とあり、

 また地方公務員法第24条3項に【職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない】とある。

 この法律をどう読めば、71万円の増額の根拠に繋がるのだろうか。

 そこで、その中にある「社会一般の情勢に適応するように」、「民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して」という文言は、今回の案件には全く関係のないものなのか。と訊くと、
「それは、(すでに)人事委員会が考慮した上で勧告している」と。

 国には人事院があり、「人事院勧告」がある。その勧告は全国の地域情勢には合わない場合がある。そこで地域情勢をより考慮し、勧告する機関として各県には人事委員会がある。その勧告どおりに従うことが「情勢に適応し」、「事情を考慮している」ことにもなる。との答え。
 それならば、国より、そして県よりも身近で情勢や事情を把握しているはずの「新庄市」が、尚更地元の情勢に合ったピッタリの給料表ができるのではないのか。

そう訊いても、市民に説明できるような答えは、返ってこない。

 そうして質疑は終了し、委員長が議案を採択することに異議はないかと訊き、「意義あり!」と僕。
結局採決となり、議案に反対したのは僕1人だけだった。

「あ、そういうことね」
 
 それならば、彼らはなぜ1年前に、あれほどの勢いで反対したのだろう(昨年の3月議会についてのブログ見てください)。今議会だって地域の景気はさらに悪化しているし、市の財政再建にしても早期健全化団体の基準を少しクリアしただけで、今なお厳しい状況であることには変わりはない。なのになぜ…。市民にどう説明するつもりなのだろう。「職員の士気が下がるから仕方ない」とか「若い職員が可哀相だから」なんて、景気も上向かず、ずっと我慢の暮らしを続けている市民に対して「説明」、いや「弁明」するのだろうか。

 おそらくこの議案は、17日の本会議最終日に賛成多数で「可決」されるはずである。現時点で反対する議員は、ごく少数だろう。

 やはり議員1人では、大切なことは何一つ変えることができない、のかも知れない。
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