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 大友義助先生の著書「新庄藩」のオビに、「丸くとも 一かどあれや 人こころ 余り丸きは ころがりやすけれ」とある。トイレに行く度に必ず、目に飛び込んでくるのがその句である。


 この句は、坂本竜馬の句とも、一休さんの句とも言われているようだが、それを見るたびに「そーだよな」とうなづいている。僕の周囲には、ありがたいことに得体の知れない僕を温かい目で見てくれている奇特な人たちと、決してそうでない人たちがいると感じている。前者はただただありがたいと感謝するのみだが、後者は、僕がなにかにつけて生意気な口を叩き、その上言葉足らずなものだから、直接的に不快な思いをされた方々や、間接的に僕の存在自体目障りだと感じている方々なのではないかと推察している。

 ごく身近な人たちからはよく「その言い方、もう少しなんとかなんねがー」と忠告される。実に恥ずかしい限りだが、語彙の少なさに加え、周囲への配慮が余程不足しているからなのだろう。議員になってからは極力慎重にしているつもりなのだが、やはり生来の「後先考えぬ」行動パターンは治ることはないのだろう。つまり「バカは死んでも、治らない」のである。

 ま、それはそれとして(決して見過ごせないと嘆く方もいると思うが)、議員の場合、せっかく与えられた機会に何も主張をしない人は「丸い人」で「できた人物」なのだろうか。議員という仕事において「沈黙は金」などということは、果たして当てはまるのだろうか。一応市民の負託を受けたのであれば、どうしてもここぞという時、発言しなければならないと判断したら、そうすべきなのは、当然のことである。
 でも、それがなかなか難しいのも事実ではある。ここぞの時に、突如として、さも「よき理解者」になったように自分を納得させ、「丸く」なり、黙りこむ…。皆さんには、そんな経験ないだろうか。
 議員という立場で「沈黙は金」ということはありえない。もしかすると「雄弁は銀」どころではなく「雄弁が金」になる、数少ない職業(実は、市議会議員はあくまで正式な職業とは認められていない。職業と認められているのは国会議員のみである。)であるかもしれない。

 市のHPで議事録を確認してもらえばわかるが、当議会での議員発言は、やはり少ないような気がしている。もちろん、なんでもかんでも発言をすれば、それでよし、ということはないし、その中味が一番重要なのだが、そう多くはないようだ。せめて一般質問でもすれば、負託を受けた責任のほんの一部くらいは果たすことになるのだが、任期中に一、二度しか(一般質問で)壇上に上がらない議員も結構存在する。

 僕からは、そのような議員が「丸く」見える。「○」すぎて、市長側執行部の意のままにコロコロ転がされる議員ならば、それはもはや二元代表制の中の一構成員とは言えない。
 地元に戻り支援者に向かい、いくら「雄弁」に語ろうが、それは「弁解」に近いものだろう。議員はコタツの中の猫ではない。執行部に対しては、せめて確認という「ひと角」くらいは立てるべきである。それがイヤなら、議員なんか辞めて猫と一緒にコタツに入って寝ていてほしいと思う市民は、少なくないはずである。

 でも、そのような議員が、どのようにして生まれてくるのだろうか。有権者は、議会や議員のことを無用呼ばわりする前に、是非その辺のところを確認をしていただきたい。おそらくそれは、多数の有権者が大切な一票をそれらの候補者に「投票」するからである。その有権者は、どのような基準で一票を投じているのだろう。そもそも選挙とは何を目的にした制度なんだろうというところから、考えてみる必要がありそうだ。「やさしそうだから」「いいひとだから」「いつも挨拶するから」…、つまり「丸い人だから」という理由なのか。あるいは「地元だから」「同級生だから」「親戚だから」などという理由なのか。

 どれをとってもよく解らないが、一番重要なところは、政治家(決して口利きによって支援者の便宜ばかりを図る人を政治家とは言わない。そのような人を一般的には、政治屋、という。)としての役割を果たせる人物を「厳しく」見極め、地域民主主義を構成する一員として、誇れる一票を投ずることではないのか。
 また生意気なことを、とお叱りを受けるかもしれないが、政治家にも、有権者にも、ただ一つ言えることは、「あまり丸きは ころがりやすけれ」ということである。やはり有権者も、大切な一票に、気合を込めて「一かど」を注入すべきではないのか。

 政治家も「丸く」、有権者も「丸く」では、この地域、そしてこの国は、やがては萎み、どこかの国の属国となってしまうかもしれない。

えっ?もうなってると同じでしょって?

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