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 巷で「これからは、若い人」というフレーズをよく耳にする。ひと頃「今の若いヤツらは…」が大人たちの口癖のようだったが、自分たちが作り上げた世の中の「惨状」もあってか、若い人たちに期待するフレーズに、いつの間にか変化してきたのかもしれない。
 今月の10日、地域の若者プロジェクトに参加させてもらう機会があり、その「若い人たちのパワーと可能性」を強く実感するこにとなった。

 
 新庄市立萩野小学校土内分校が閉校してから7年程になるが、閉校後は土内集落の方々が公民館として使用していた。しかし新しく公民館が建ち、長年地域の核として存在した分校の建物は、そこでの役割を静かに終えようとしていた…。

 そこに新庄を中心に地域活性化のために活動する若者たちのグループが、分校を都市と農村の交流施設にしたいと名乗りを上げた。所有者である新庄市が、彼らの活動に理解を示したこともあり、スタートまでの準備はすんなりと進んだらしい。とは言え地元の方々への説明から始まり、プロジェクトへの協力依頼や、具体的にどのような協力をしてもらえるのかのすり合わせなどに、相当の神経と労力を使わなければならなかったことは、容易に想像できる。

 開園当日は、残念ながら雨が降ったり止んだりの天候で、参加者に予定イベント全てを楽しんでもらえるのか、主催者側はかなり不安だったろう。
 僕は11時に登校したが、参加者はすでに校内の雑巾がけをしていた。「おーっ、やってる、やってる」と眺めていると、いきなりビビる大木似の主催者の1人に「はい!」と雑巾を手渡され、少々面食らった。
 そんないきなり「ポン」と渡されても、小学校時分からまともに掃除なんかしたことがないわけで、持たされた雑巾で床を蛇のようにクネクネと拭いたり、黒板にいたずら書きしたり、黒板めがけ、まるめて投げつけたりと、その頃にやっていた「イタズラ」の限りを、楽しませてもらった(※主催者に謹んでお詫びいたします)。

 ひととおり校内清掃が終わり、昼食の時間に。昼食は主催者が生産したご飯でおにぎりを参加者自らが握って、それを食べながらの自己紹介となった。県内各地はもちろん、仙台市内、遠くは神奈川県などの参加者もいて総勢30名ほどだったろうか、プレオープンイベントとしては、想定外の?集まりかただったのかも・・・。
 その後、釣りチーム、山菜採りチームなどに分れてイベントを楽しみ、クライマックスのバーべキュータイムとなった。そこでは土内集落の方々が、しめたばかりのニワトリ二羽をぶつ切りにしてぶち込んだ豪快な大鍋や、各家庭ご自慢の漬物などを振る舞ってくれて、それを芳醇な会話とともに美味しくいただいた。

 「…こんな山の中によく集まってくれた。本当にありがとう。」という地元の方の気持ちのこもった挨拶には、胸にグッと込み上がる熱いものを感じた。

 この都市と農村交流イベントは、今のところ毎月開催していく予定という。頭の中にあったイメージを、あっという間にカタチにしていく彼らの企画力と行動力には尊敬の念しかない。しかし僕らも、まだまだ若い人たちには負けてはいられない。「小水力発電による中山間地再生プロジェクト」も、このような集落には絶対に必要な事業だ。

 昨年度末に、総務省の「緑の分権改革」事業に新庄市が手を挙げ、国の予算約450万円が補正予算として組み込まれた。そして間もなく実証実験に向けた準備が始まる。全国の、特に豪雪地域の中山間地衰退は著しく、もう待ったなしの現状なのだ。それらの地域を救済するモデルとなれるよう、その予算を有効利用し、早期実現を目指していきたい。

 僕の頭では、マネーゲームに翻弄される原油市場を、涼しい顔で眺めながらエネルギーを地産地消し、それを活用した農業・工業生産を淡々と進め、のんびりと安定した暮らしをする「土内集落」の光景がはっきりと映像化されている。

 あとは「具現化」しかない。




 

 
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