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 中古自転車を隣県の被災者へ届けたくて、数日前から、知り合いの市民に呼びかけた。もちろん新庄市役所にも広く市民に告知して欲しいと要望した。これからたくさんの被災者が新庄市にもやってくる予定ならば、なおさら被災者の足として必要になってくるはずだ。

先月30日、ようやく30台の自転車が集まった。その自転車を全て、神室産業高校自転車部の元監督の泉先生が、メンテナンスをしてくれた。でも被災地まで運ぶトラックがない。困っていると、すぐに新庄建設の会長と社長が、二つ返事で貸してくれた。女房からは「アナタのやることは、すべて泥縄だよね。」と言われた。言い返す言葉が見つからなかった。でも、なぜかすべて思いを果たすことが出来る。本当に不思議なのだが、今までどれだけ「思い」が先行して、「実現」に漕ぎ着けたことが多かったことだろうか、数え上げればキリがない。
 「思いをカタチに」することは、そのほとんどが自分の力では、できない。道元禅師の言葉に「花ひとり開くにあらず 春風来たりてひらくなり」というのがある。まさにそのような、周囲の、理解と協力によって「花」が開くのだ。
 まずは「咲きたい」と自分が思うことから始まると思う。

 翌31日の朝6時、お借りした4トントラックを泉先生が運転して、前回南三陸町に物資を届けた際の約束を果たしに、被災地に向かった。
現地の担当者に「あのー、中古ですが自転車をお持ちしました。前回来た時に被災者の方が徒歩で遠くまで行こうとしていたので急いで市民から集めたのですが…必要でしょうか。」

「自転車ですか、えぇ、もちろん必要です。何台ほど持ってきていただいたんですか。」

「30台です。使ってもらえますか。」

「えぇーっ、30台も!ありがとうございます。」

 と、物資の搬入口のほうへ案内された。

しかし、物資受け入れの担当者は、複雑な表情をしていた。それは持ち込まれては困るという意味ではなく、絶対必要なのだが、どのように被災者の方々に利用してもらえばいいのか、まだ考慮中という様子だった。避難場所から被災場所までの距離は相当ある。自転車があれば絶対に往復の負担を軽減できるはずだが、管理の仕組みを作る余裕がまだ、ないのだ。できればボランティアの方々に管理運営を委託してもらい、早く被災者に利用して欲しいと思ったが、今はそれどころではないらしい。
 自衛隊の方々から自転車を下ろす作業を手伝ってもらい、並べられた30台の自転車は、自分たちの早い出番を待っているかのようだった。
 
 僕は今、県議選のある候補者の後援会長をやっている。本来なら1日から始まる選挙戦に向けて血眼で準備をしなければならない。しかしこの候補者は、被災地への支援を勧めてくれた。

もし自分がそのような立場だったら、僕も必ずそうしたいと思った。
この思いを大切にして生きていきたい。
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