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2011.06.28 複雑な思い
 先日、あるイベントのオープニングセレモニーに来賓としてお招きいただいた。何をはおっていけばいいかと少し悩んだが、花と緑のイベントだということで、花柄の赤い「かりゆし」で列席した。でも他の来賓の皆さんは、いつもの格好だったので、また、ひとりだけ浮いてしまった…。
 

 そんなことは、まずいいとして、市などが主催するほとんどのイベントでは、可愛い保育園児たちのダンスなどが必ず披露され、それを見ようと多くの家族が来場し、パパやママたちは飛んだり跳ねたり回ったりするわが子の可愛さを、撮り逃すまいと懸命にビデオカメラを操作していた。それは誰が見てもほほ笑ましい光景だった。もちろんそのことには、全く何も異論を唱えるつもりはない。

 だか、そこに主催者側のなんらかの思惑がチラチラと見え隠れしていたように感じたのは、僕だけだろうか。もちろん主催者側からすれば子どもたちの発表の場を設けていることは事実なわけで、その点では評価したいと思う。しかし、もし主催者側が、イベントの来場者数を増やすために「子どもたちのエネルギー」を利用しようとしていたのならば、どうなんだろうか。
 なんといやらしい偏った見方をする、と僕を軽蔑なさる方もいるだろうが、どうしても無邪気に踊る可愛い園児たちを見ていると、ついそんな思いを抱いてしまうのだ。
 そんなことはない !と、関係者の皆さんにはひどく怒られそうだが、もし仮に、企画の段階でちょっとでもそのようなお気持ちがあったのならば、今後は是非考えを改めていただきたい。せめて、子どもたちのエネルギーを「お借りしたい」というような、謙虚な姿勢でお願いすべきことではないのだろうか。
 
 僕ら大人は、子どもたちに「すばらしい社会」を残さなければならないのは当り前のことだった。でも現実はといえば、子どもたちに放射線量を常に気にしなくては暮らせない日常をつくってしまっている。大人として、親として偉そうに、子どもたちを大切に育ててきたつもりが、この有様である。僕らのさまざまな欲が、子どもたちの未来に「無遠慮なキズ」をガシガシと、つけてしまった…。

 無心で飛び跳ね踊る園児たちを見ながら、情けなくて、つらくて…僕は来賓席からすぐにも逃げたかった。でも大人の責任として最後までみせてもらうことにした。「今、僕ら大人がこの子たちにやってやれることはなんだろうか」「放射線被害をなんとか食い止めないとな」「原発事故をこれから起こさない選択をしないとな」「原発はもういらないな、ぜったい」…いろんな思いが頭の中でグルグルと跳ね回った。

 様々なイベントに子どもたちが「喜んで」参加しているのなら、それは素晴らしいことだが、もし大人たちの都合で、参加してもらっているのならば、これからは慎んだ方がいい。でもどうしても、というなら、出来る限り慎重に、子どもたちの思いを何より大切にして精一杯の配慮をしながら、彼らのエネルギーを「拝借」するようにすれば、大人の姿勢としては、まだ許されるのではないだろうか。

 なにはともあれ、雨の中でのイベント大変お疲れ様でした。








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