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 ご存知のように、病的に「ゴミ拾い」をしているが、時々「あれっ?」と思うことがある。


 いつものようにうつむいて地面のゴミを探していると、遠くから僕を呼ぶ声がある。ナンだろうとその人に駆け寄っていくと、その人の住む家の道路すぐ向こう側を指差している。「しばらく前から、そこにゴミが落ちている」と言う。で、僕が「えっ?」と言うと再び「そこそこ」と指を差す。

 僕はそのお年寄りからすると「ゴミ拾いのエキスパート」に見えたのだろうか。まぁ、そう認識してもらっても別に間違いではないと思う。で、ちょっと変じゃないか、と感じつつも指図どおりそのゴミを拾ながら思った
「おじさんが拾ってもいいでしょ、自分ちの真ん前なのに…」って。

 これに似たようなことが、よくある。

 区長をしているある方の話だが、玄関で呼ぶ声があって出てみると「歩道にイヌのウンチがあるから、拾ってくれ」と近所の人に言われたそうだ。その場所へ行くと確かにその物体はあって、ちゃんとそれを片付けた。ところが、その場所は呼びに来た住人の家の前だったそうで、「もう、区長なんかやりたくない」と嘆いていた。

 雪の降った朝、店の周辺を除雪していた時、道路の向かい側で手招きするご近所さんがいた。行ってみると「ここも、除雪してくれ」と言われてびっくりしたと言うのは、我が女房である。

 いずれも、お年寄りの話だから、それくらいしてやればいいじゃないかと思われるかもしれない。しかしその方々は、お年寄りとは思えないほど、しっかりした動作の出来る皆様である。
 ではなぜほかの人に、何かをやってもらおうとするのだろうか。人からやってもらえば、自分は「楽ちん!」てな感じなんだろうか。自分よりは若いんだから、それくらいは、しろ!ってことなんだろうか。それとも…。
いくら考えてもその心理は、よくわからない。僕も歳を重ねていくにしたがって、そんな感じになっていくんだろうか。いや、僕は絶対にそうはならない。自分のことは自分でやれる年寄りになる。いずれ、誰かの世話になるはずだから、その時までは、自分でやる。できるだけ「可愛げ」のある、ハゲじじいになってやる。

 世の中には、そうでない僕の理想とする素敵なお年寄りは少なくないのに、なぜか近ごろ、「あれっ?」って思うご老人が、ちらほらと見えるのはどうしてなんだろうか。

 これから先、今以上の凄まじい高齢化社会がやってくる。そんなおじいちゃん、おばあちゃんが激増しないことを切に願うばかりである。


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