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今、TPPへの交渉参加について、日本中を真っ二つにするような論戦がなされている。あたかもそれは、農業vs工業界の構図のようだが、決してそうではないことは、周知のことだろう。
 
 今回の9月定例会で、新庄市議会は全会一致でTPP参加に反対する意見書を提出することを決めた。以下はあくまで僕のTPPに関する予測と考え方である。

 TPPはもともと、チリ、ニュージーランド、シンガポール、ブルネイの4国間で2006年に交わされた環太平洋経済連携協定で、輸出入の際、品目の中に例外を少しは認めるのか、それともまったく認めないのかという点で、かなりシビアな協定と言われているFTAよりも、もっと厳しい協定の内容である。厳しいとは言え、どちらかといえば小国間同士で、経済に関する過不足を補い合いながら、自国経済を安定させようという協定なはずだった。TPP(トランスパシフィックパートナーシップ)は、字のごとくパートナーシップを目的としていたはずで、決してそこには「戦略的」な要素は含まれていなかったと、認識している。
 ところが、ある大国がその協定に目をつけ2009年に参加の意思を表明した。そこから「戦略的」変質をしはじめる。その大国が「アメリカ合衆国」である。このアメリカが参加を表明すると、世界がこの制度をにわかに注目し始めた。その後オーストラリア、ペルー、マレーシア、ベトナム(順不同)が交渉に参加してきて、現在9カ国が参加交渉を続けている。しかしEUでは参加に理解を示す国はなく、先日アメリカとFTA締結を決めた韓国や、経済成長著しい中国も参加しようとはしていない。
 では、なぜこの協定にあのアメリカが参加しようとするのか。そこを考えると、この協定の中身の全てを理解しなくても、非常に危険な協定であることくらいは、見えてくる。大国アメリカの現状はというと、それこそ周知の通りの末期的な状況である。あえてドル安にし、それを「ガソリン」として、国内で製造、生産された製品、産物の輸出を「爆発的に」増大させ、今の危機を乗り越えようとしているのだ。しかし大国アメリカの思惑は、それに留まらず、金融、保険などの市場をもターゲットとしていることは間違いない。とりわけ日本がその標的として想定されている。わが国の郵貯、簡保などを、削り落とし、崩して、その資金をアメリカに「盗り」入れようとしている。
 「TPPに参加しないと、日本は取り残される」というような危機感をあおる言葉を発している政治家や経済界のトップがいるようだが、どのような流れから「置いて行かれる」と決めつけているのだろうか。現在TPPの参加交渉の輪に入っている国は9カ国、その国の6カ国と日本は「EPA経済連携協定(二国間の貿易や人材、投資などで、一部例外のある自由貿易協定)」を締結している。日本が締結していない国はオーストラリア、ニュージーランド、そしてアメリカである。その他わが国は「WTO世界貿易機関」、「APECアジア太平洋経済協力会議」などにも参加している。特にWTOの中では、EUの食料輸入の多い国などと結束し「自国の農業」を守るために結構奮闘しているのが日本なのである。そのWTOの中で日本を激しく攻め立てている国が、実はオーストラリア、ニュージーランド、そしてアメリカなのだ。この構図ひとつとってもTPPに参加すれば、交渉の結末がどのようなことになるのかは、瞭然のことではないのか。

 TPP賛成の皆さんは「交渉に、参加するだけなんだ。後は、それこそ交渉でしょうが…」みたいなことをよく言っている。しかしこの国に、外国としっかり交渉できる能力は、果たしてあるのだろうか。今までの歴史の中でも日本が有利に運べた外交はあったのだろうか。戦前戦中はあったかもしれないが、現在はといえば、ほとんど無いといってもそれほど怒る人はいないだろう。そのような外交の能力しか持っていない国が、自国の損益につながる条件に対して「NO!」とは言えるのか。
 「NO!」と言えるとすれば、決してその人物を尊敬はしていないが、政治家では石原都知事くらいしか、いないのではないか。せめて「NO!」とは言えないが、老練な交渉術を駆使できるという政治家がいれば何とか「絶滅」は防げるかもしれないが、そのような人材も今のところ、この国には見当たらない気がする。こうなるともう「交渉」ではなく「言いなり」の状態になってしまうのだ。「そんなことはない!」とお怒りになる方もいると思うが、現実は、そのようである。「食べる食べないは別として先ずはテーブルにつく」などという恐ろしいことを言わず、星型斑点のどう猛な怪獣が待つ、その部屋には近寄らないほうが、今の日本政府の現状では、得策ではないだろうか。

 因みにTPPの中味は、農産物に限らず、商品、製品、人材、医療、金融、保険、その他のサービスなどなど、それこそ例外のない、つまり全てにおいて、国内産業を保護するために必要な規制をなくさせ、関税のかからない状態で輸出入がなされてしまうのだ。これによって一部を除くほとんどの農産品は、おそらく壊滅的な被害を被ることになる。そして関税のない輸出でかつてないほどの増収増益を狙う企業では、締結初期には「あめ玉」のような利益が舞い込むはずである。しかしグローバルな市場競争に、さらに突入することになるため、今以上の効率化を進める必要が出てくる。その結果、空前絶後の「大量人員整理」が決行されるだろうと予測される。それはなぜか、企業には、生き残るための低賃金労働力が不可欠となり、その労働者をTPP加盟国から大量に呼び寄せる可能性があるからである。そうなれば、企業は生産拠点をアジアに移す必要性はあまりなくなり、より効率性の高い経営が可能になるのだ。実はその辺りが、経済界の思惑の、隠された大いなるメリットなのかも知れない。
 輸出関連企業の株主様は喜ぶと思うが、今でさえ失業者が増え、生活保護世帯が激増しているのに、さらに爆発的な激増となれば、民生費にかかる予算は跳ね上がり、国の借金が900兆円に迫る日本は、今のギリシャを越える惨状となるのではないだろうか。


 僕が、少し考えただけでも、これほど危険な協定というのがTPPだと思います。皆さんはどのような考えをお持ちでしょうか、お聞かせください。
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