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 ほぼ一ヶ月間、何をやっているか、訳がわからない状態だった。
あれよあれよという間に「新庄まつり」はすぐそこまで迫っている。
生業としている「本屋」が忙しいわけではなく、その他のやることが多すぎて
こなし切れない、のだ。
 特に先週などは、大変だった。6日(日)は友人がどーしてもカヌーをしたいというので「仕方なく」付き合った。それも店を半日休みにして、最上川を20数キロも下ってしまった。カルーく休んだように思うだろうが、半日店を閉めるということは、かなりの損失となるのだ。金額にすれば、ン百万円程か、…そんなわけない。でもお世話になっている先輩の言うことを、店があるから、などというくだらない理由でと断わるわけには、男として、いかなかった。だから、行ったのだ。うん、そうだ。
付き合いとはいえ、嫌々ふてくされながら、やるわけにも行かず、迫真の演技で満足さを演じることができた。友人からすれば、思いのほか楽しんでいると見えたに違いない。
 そんな僕の苦労を神はご理解くださったのか、その日は、最高のカヌー日和だった。朝7時前に漕ぎ出すと、眼前はうっすらとした川霧が辺りを優しく包み込んでいて、まさに水墨画の世界だった。
8月にしては澄んだ水に、サクッサクッとパドルで切込みを入れていくと、おっ、今までお目にかかったことのない「ヤマセミ」ではないか。いままでカヌーやっててよかった、と痛感したのは言うまでもない。
 友人と二人白須賀橋先の中洲で朝食を済ませ、美味しい珈琲を味わい、束の間の休憩ののち、再び最上川の雄大な流れに身を任せた。そこから先のツーリングも景観も、全て素晴らしかった…。付き合いカヌーだったけれど。
…疑っている人がいないとも限らないので敢えて繰返すが、僕は仕方なしに、行ったのだ。ほんとうだ。
 「付き合いカヌー」は、これで終わらなかった。9日(水)には、舟形の友人がYBCの取材があるので協力して欲しいと言ってきた。平日で「本屋」を閉めていくわけには行かないので、キッパリ断わろうと思った、が気持ちとは裏腹に口をついて出た言葉は「もちろん!お手伝いしまーす」。口にした僕自身「えっ!」と驚いてしまった。おそらく得体の知れない何らかの力が僕の身体を巧みに操ってそう言わせたのだろう。摩訶不思議なできごとだった。
 というわけでこの日は、アナウンサーにパドルの使い方をレクチャーし朝10時前頃の漕ぎ出しとなった。前回同様「仕方なし」にやってんだよーこっちは、などという仕草を悟られることなく、楽しんでるように見せかけた。この作業が実は結構大変なのだ。…ウソだと思うならやって御覧なさい、キツイよ、ホント。
 で、僕らが番組に出るかというと、それは、ぜったいNO!である。なぜなら一度もインタビューもされず、カメラがこっち向くことは皆無だったから…。じゃ呼ぶなよ、と言いたくなるが、舟形の友人には「イイ人」なので言えるわけもなく、僕が集まってもらった数人の友人たちからは「なんだよー、鶴太郎が来るって言ったじゃねーかぁ」とか「俺ら、単なる風景だなー」などと冷め切った素敵なお言葉をしっかり頂戴してしまった。
で、YBCの取材の方々に一言よろしいでしょーか。「ざけんなっ!!」。
 もううんざりの「付き合いカヌー」。金輪際お断り、と心に決めたその12日(土)、仙台の雑誌社のライターが、カヌーがしたいと言ってきた。「バカヤロ、もうだまされねーぞ」と言いながら車に乗り込み、堀内のスタート地点に
向ってしまっていた。「あっ!」と思ったが、もう遅く、その地点に着いてしまった。「雑誌社のマッチだか、ライターだか知らネーが、きょうはぜったい『沈』させてやるぜー」と並々ならぬ決意を抱いたまま、いきなり対面した。
……………………………………………・…………………????………………………………………………………………・・…………………ん?
おっ、おんなのひとだ。…けっ結構可愛いんじゃねーの・・・・・・・・・・・・・・・
「おはよう、今日はたのしーカヌーにしようねぇー、おじさんとカナディアンカヌーに乗ろうね、恐くないからねー、大ジョーブだよー、さっさっそく行きましょオカぁー」
そのとき僕は思った「付き合いカヌー」も悪くない、と。
この日のカヌーは、なかなか、だった事は、あえて書かなくてもご想像いただけるだろう。
そしてなにより舟形の友人や、らく沈の会長がいつになく張り切っていたのは言うまでもない。

というように、先週は日、水、土と3度も「付き合いカヌー」をしてしまったという話。ほんとうに人がいいにも、程がある、と自分を責めたてる今日この頃である。
それにしても、疲れたなぁ、先週は・・・はは。
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